
早いもので、流産をしてから1年が過ぎようとしています。
そこからどんな気持ちの変化があったのか書こうとおもうのですが、
まずは1年前の話をさせてください。
私が経験したのは、お腹の中で胎児の成長が止まってしまう「稽留流産」というものでした。
先生いわくお腹の子は週数に比べて成長が遅いとのことだったので、嫌な予感はありました。
結果的に9週目に入るころに成長が止まってしまい、摘出手術をすることになったわけです。
9週目でしたが、大きさとしては6週目くらいの成長しかできませんでした。
エコーの写真は1枚しかなく、ピコピコ動いていた心臓を見たのは私1人だけでした。
「心拍が止まってます。死んでしまっている状態ですね・・・」
「看護師から手術の説明を聞いてください」
そう告げられた時の私は放心状態で、一体何が起こったのか理解ができなかった。
「こんなことあるんだ・・・なんかドラマの世界みたいだ。」と思った。
私は悲劇のヒロインなのかしらと。
それでも看護師さんから具体的な手術の説明を聞いていると、これが現実なんだと理解してくるようになる。
看護師さんは淡々と説明をしてくれてるけど、内容なんて全然頭に入ってこない。
私の目は泳いで泳いで泳ぎまくって、そのうち涙が溢れて、ついでに鼻水たらして泣いた。
夫に電話するも、仕事中で繋がらなかったので帰宅した夜に伝えることに。
夫は冷静そうに見えた。「そっか・・・だめだったか」
私は夫の横で静かに泣いてた。
手術の日程は3日後となったのですが、その間もまぁ辛かった。
妊娠による身体の変化はしっかりあるのに、結果は実らない虚しさ。
もしかしたら自然に出てしまうかもしれない。
ていうか手術こわい。
そんなことを考えながら仕事の調整もしなければいけなくて、自分の代わりに出勤してくれる人を探した。
友人との予定もキャンセルすることになり、「理由をどうしようか」と悩んだりもした。
手術の日までは泣きっぱなしだった。
ご飯を作ったりはしていたと思うんだけど、そのあたりは記憶がないです。
手術当日、とても冷静でした。
待合室にお腹の大きな妊婦さんがいても、何も思わない。
夫とアホな冗談を言い合えるくらいだった。
あれ、意外と平気じゃないか。
もっと取り乱すかと思ったのに、今日は一度も泣いてない。
わが子とさよならなのに何も思わないなんて、自分って冷たいなぁ。
そう思った。
手術が無事に終わり、一定期間飲み薬を飲むことになった。
一週間ほどは安静に過ごしていたような気がする。
手術の翌日から体温がガクッと下がった。
夫は仕事なので、部屋に1人。
1人でいると、「どうしてダメになってしまったんだろう」
そのことばかり考えてたように思う。
一度泣きだしてしまうと止まらず、どんどん悲しい方に引っ張られる。
時には小田和正の「たしかなこと」を聞きながら泣いたりした。
妊娠をきっかけに仕事と趣味の教室をやめてしまった私は
「失敗したなぁ・・・」とあとでとても後悔した。
子どものためと思って辞めることを選んだのに、結局何も残らなかったから。
「自分には何もなくなってしまった。」そう感じながら半年を過ごした。
今までの貯金を切り崩しながら、自分の好きなことをやって過ごしてたかな。
その間に仲のいい友人の何人かに、今までのことを話したりした。
話を聞いてくれて「大変だったね」「悲しかったね」と共感してくれるだけで、ちょっとだけ救われたような気分になった。
でも、話す相手を間違えてしまうと大変だ。
友人から「流産は繰り返すっていうから気を付けて」と言われた時は、どんな反応をすればいいかわからなかったから。
(実際、2回目もダメだった時には「だから言ったじゃない」と言われてしまった。)
自分の体調が回復してくると、今までどおり学生時代の友人の集まりに参加することも増えてくる。
順調に妊娠経過をたどっている友人もいるわけで、その友人と会う時はちょっと心穏やかではなかったな。
半年たっても、たまにふと悲しくなって泣くことがあった。
同年代で流産を経験した人が身近にいなかったので、同じ経験者同士で気持ちを分かち合うこともできない。
そんなときはネットの検索に助けられてました。
助けられてましたっていうか、今もそうです。
1年たって頻度は減ってきたけれど、今でも悲しい気持ちになる時はあるし、思い出して泣きたくなるような時もあります。
初期流産でさえ、こうなんです。
もっと週数が進んでいたら、私は経験していないのでわからないですが、おそらくもっと辛い思いをしていたんじゃないかなと思います。
何事もそうなのかもしれないけど、周りの人に話したとしても、「結局は経験した人にしかわからない」。
そんな漠然としたどうしようもない気持ちはずっとありました。
ちょっとやさぐれてた感じですね。
私の1年間の気持ちの変化はこんな感じです。
長くなりましたが、この辺で終わります。
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